脳を活性化する
4つの習慣
~話食動眠とは~
4つの習慣 ~話食動眠とは~
脳の健康と活性化につながる
好循環<話食動眠>。
脳をイキイキ健康に保つためには、毎日の生活習慣が大きく影響してくることが東北大学加齢医学研究所の瀧靖之教授の研究によりわかってきました。さまざまな生活習慣は脳の発達を促進させ、加齢変化を抑えてくれるのです。なかでもポイントになるのが、「会話」「食事」「運動」「睡眠」の4つ。子どもからシニアまで生涯健康な脳を保っていくためは、脳に良い影響を与えるこの4つの生活習慣を暮らしに上手に取り入れていくことが大切になります。
話食動眠(わしょくどうみん)とは?
脳にとって4つの要素がいかに重要かを広く認知いただくために「会話」「食事(調理)」「運動」「睡眠」というそれぞれの単語から1文字ずつ抜粋して、新たに「話食動眠」という4文字熟語を作成しました。
生涯健康脳住宅のコンセプトスローガンとして訴求していきます。
脳が喜ぶ、
人とのコミュニケーション。
社会とつながり、人とコミュニケーションすることは、脳を大いに刺激します。たとえ何気ない会話であっても、「言葉を理解する」「相手を思いやる」「時間に気をつかう」など、脳の多くの部分はフル回転。そうした効果があるコミュニケーションは、会話の中身より「毎日継続する」ことが大切になるため、1日1回は誰かと話すよう心がけましょう。特に、前頭前野が発達する思春期の子どもの場合、この時期での対面してのコミュニケーションは、脳の発達にとても大切な要素になります。
誰かと会って話しているとき、脳の中では言語機能のある前頭葉をはじめ、言語理解や感情を制御する領域が活発に働いています。
脳にとっての最高の栄養は、
知的好奇心。
「見たい」「知りたい」「やってみたい」などワクワクすることは、脳にとって最高の栄養。脳は、新しいことが大好きなので、やったことのないことをすると、さまざまな脳の領域が活性化します。だから、園芸、将棋、手芸、俳句など何でもOK。興味あることに積極的に挑戦して楽しみ、脳をどんどん刺激しましょう。
また、そうした知的好奇心は、子どもが勉強に進んで取り組むモチベーションも刺激してくれます。
意欲や創造、実行などを担う前頭葉をはじめ、視覚野のある後頭葉などが活発に働きます。
また、楽しいと感じることで扁桃体からドーパミンが分泌され、やる気がアップします。
先生からひと言
好奇心が高いほど、高次脳領域により脳の体積が保持されます。
また、余暇に趣味を楽しむことなどで、認知症の発症リスクを下げることができます。
考えることが連続する料理は、
脳に刺激的。
料理は、「何を食べよう」、「何をつくろう」から始まり、食材の買い出し、材料の下ごしらえ、火加減の調節、味付け、盛り付けなど初めから終わりまで考えることの連続です。
しかも同時に指先も動かすので、脳は活発に動きます。こうした複数の作業を並行して行う「マルチタスク」は、脳の複数の領域を同時に使うため、脳を活性化します。
調理による一連の作業は、前頭葉、頭頂葉、後頭葉などあらゆる部分を活性化。脳のネットワークも活発になります。
良いことだらけの、食事中の会話。
大切なコミュニケーションタイムにもなる、食事の時間。そのためにも、毎日の食卓はできるだけ家族と一緒に囲みたいもの。また、時にはお友達などを招いてお茶やホームパーティーを楽しんだりして、食事を楽しむ時間を増やしましょう。親しい人と話しながら一緒に食事すると、「おいしい」と喜んでくれた時などには、脳は喜びと幸せでいっぱいになります。また、子どもに朝食を摂らせることは脳の発達にとても大切なことなので、毎朝しっかりと。
食事中の会話時には、前頭葉の言語機能や実行機能など、いろいろな領域が活発に働きます。
また、話すことはストレス解消にもなります。
先生からひと言
魚や野菜、穀類や食物繊維が豊富な食品は、認知症発症リスクを下げます。
また、献立を考える、買い物をする、調理するなどの連続した家事行為は、脳を活性化させます。
適度な有酸素運動で、
海馬の体積を増やす。
脳を活性化させるには、息がやや弾むくらいの状態で30分ほど軽い運動を継続して行うのがオススメ。30分がムリなら、できる範囲でもかまいません。大切なのは、毎日続けること。ウォーキングや軽いジョギング、スイミングなどのほか、なるべく階段を使うなど、日常生活の中でもなるべく体を動かすようにしましょう。そうすることで、心肺機能が高まり、脳への血行も促進されるので、認知症につながる血管系の病気も予防できます。また、有酸素運動は認知症予防のみならず、子どもの脳の発達にも重要な役割を果たします。
有酸素運動により、神経細胞のエネルギー源が体内で作られます。それにより海馬が大きくなり、認知機能が高まります。
家事の仕方や段取りの工夫で、
脳を活性化。
軽い運動と同じくらいカロリーを消費する、家事。そんな家事をこなす際、時間を意識することで、脳を活性化させることができます。たとえば、「10分でクローゼットを整理する」「15分で掃除機をかける」など目標時間を決めて家事を行うと、その目標がクリアできた際に達成感が味わえて脳が喜ぶとともに、家の中もキレイになり、気分もスッキリします。
身体を動かすことは、運動野のある前頭葉をはじめ、さまざまな領域を刺激。効率良い方法を考えたり、鼻歌を歌いながら楽しい気分で家事をすると、脳のイキイキ効果は倍増します。
先生からひと言
運動することにより、脳の海馬が発達します。
また、定期的に軽度の運動を続けることで、認知症発症リスクを下げることができます。
良質な睡眠で海馬を育て、
記憶力アップ。
大人なら7から9時間、高校生は8から10時間、小・中学生は9から11時間、幼児は10から13時間と言われています 。日本人は子どもも大人も睡眠が短すぎるのです。
短時間の昼寝で、
認知機能を高める。
高齢者の場合、30分以内の昼寝でも、アルツハイマー病の発症リスクが低減できるという研究結果が報告されています。ただし、昼寝は午後3時までに。また、高齢者以外は15分までにしてください。深い眠りが出ないようにするためです。そのため、横になって眠るよりはリクライニングチェアか机に突っ伏して寝るくらいが良いとされています。また、昼寝も1時間以上になると、夜の睡眠を妨害し、認知症のリスクもかえって高く(2倍)になりますので要注意です。
認知症の原因となる異常なたんぱく質(アミロイドβ)は、脳神経細胞の周辺に黒いシミのように蓄積しますが、徐波睡眠(深い睡眠)によりそれが洗い流されるといわれています。